そうめんの総本山たる三輪に、仲買業者、製粉業者なども含めた素麺産業関係者の団体、三輪素麺組合が結成されたのは明治28年。
その後、時代の移ろいや業界環境の変化に応じた組織変成を経て、伝統の技法と品質を確保、継承することを目的とした三輪素麺製造業者の協同組合として、昭和22年に奈良県三輪素麺工業協同組合として再出発。
現在奈良県内、約60名の製造者が伝統の技に磨きをかけ、より一層の品質向上を追求し日々精進いたしております。
2月5日、一年を通じて組合が最初に催す行事として大神神社で行われます。かつては穀物の価格を決める伝統行事でしたが、現在では卸売商と組合で設定された「高値」「中値」「安値」の3種類の価格の中からト定の神事によってその年の相場が決定される儀式。古式に法って行われます。
大神神社の後、元恵比須神社、恵比須神社と3つの神社を回り、神への祈りが慎ましやかに繰り広げられます。
三輪素麺に携わる人々にとっては、一年の始まりを告げる大切な神事なのです。
極寒期、そうめん作りがはじまります。 機械化が進んで来たとは言え早朝からの手順は1,300年の昔と少しも変りません。
その日の気象条件に合わせて小麦粉と塩水を微妙に調整することが必要なそうめん作り。張詰めた空気と凍えるような寒さの中で作業は寒さとの戦いなのです。
夏の終わりに年中行事を締めくくるこの「感謝祭」もまた組合の主催によって大神神社の境内で行われます。一年の実りを感謝し、また来年の発展を祈願する大切な行事です。 一年の営みを無事に過ごすことが出来た喜びを「そうめん躍り」に表わします。
素麺は製造において長い時間(36時間)がかかる上、熟練の技術がなければ製品に色ムラができたり、まっすぐとした『美しい素麺』にはなりません。
手延べ素麺は人の手によって作られるため、毎日同じ仕上がりにすることは大変難しいのですが、この「美しさ」こそが素麺の良し悪しを決める重要な要素となります。
品評会ではこの「美しさ」をテーマに2日間にわたる審査を行います。
麺線・色・色澤・結束・裁断の5項目が審査対象。
・麺線…基準の細さとなっている
・色…色ムラがない
・色澤…麺のツヤ
・結束…同じ高さで結束されている
・裁断…19cmに裁断されている
厳しく審査します。
毎年、奈良マラソンのボランティア活動で素麺をふるまっています。夏場のイメージの強い素麺ですが、「涼感」「手軽さ」「エネルギー性」に優れていることからマラソンのエイドステーションに採用されました。
トップランナーからファンランナーまで多くの方にご利用いただき、完走のお手伝いをさせていただきました。
使用した素麺は三輪素麺のなかでも特に細い「
三輪の緒環
」。のどごしがよいので疲れた体にスーッと入っていきます。